DACエンジニアブログ:アドテクゑびす界

DACのエンジニアやマーケター、アナリストが執筆するアドテクの技術系ブログです。

「Ad Tech Power Game」

こんにちは、テクノロジー戦略部の田畑です。

はじめに。 この「アドテクゑびす界」ですが、DAC公式のエンジニアブログです。他の方も色々と技術的なことを書いていますが僕エンジニアでもなんでもありません。コード書けませんし、読めません。 ではなぜそんなやつがここでブログを書いているのか?会社の公式ブログ解説にあたり、上司に書けといわれたから あまりテクノロジーの中身には詳しくないですが、せっかくの機会なので何か外に発信できたらと思い、ブログを書くに至りました。そのあたりも含めて他のエントリーとは少し違った視点でアドテクについてお話しをさせて頂ければと思います。

そもそも僕が所属している部署ですが、テクノロジー戦略部と名前も付いていますが、技術者の集まりではないです。どちらかと言えば、海外の最新企業や技術についての調査、パートナー提携を主な業務としています。ことアドテクにおいてはアメリカ、特に西海岸が最先端とされており、現地に赴き、これらアドテクソリューションの輸出入やビジネス開発を主に実施しているいわば「アドテクの商社」の様な事を行っています。

※アメリカの中でも、純粋なテクノロジーは西海岸、代理店寄りのテクノロジーは東海岸に多いといった認識があり、これは大手広告主や媒体社、代理店が東海岸に多いといったところから来ているとのこと。あと軍事系技術が発達しているとされる国は比較的アドテクにも強く、イスラエルやロシアなども有名です(http://www.gizmodo.jp/2014/12/it2.html)。

当然大手海外企業も同様の取り組みを行っており、積極的に企業提携や買収といったことを行っていまが、特にここ1~2年内で加速してる業界再編の流れを「Ad Tech Power Game(アドテク・パワーゲーム)」と言います。 appnexus 写真:AppNexus Summit NY(20141106)

このアドテク・パワーゲーム、数年のサイクルで企業統合や予期せぬパートナーシップといった形で現れる傾向にあり、AppNexusのCEOによれば、今後12~18ヶ月後でこの流れはさらに加速し、2015年はアドテクパワーゲームの年となるだろうと述べています。直近だとFacebookのAtlas社買収であったり、AOLのAdap.tv買収などが代表的な例として挙げられます。 こういったアドテク企業の整理をアメリカでは有名なLUMA PartnersがLumascape(http://www.lumapartners.com/resource-center/)として紹介していたり、DACではExchangeWire Japanと協力してテクノロジー業界マップ(http://www.exchangewire.jp/)を2012年から紹介させて頂いています。こういった情報をベースに海外企業の調査を行っていたりします。 display_lumascapeEWJ

左 出典:Luma Partners 右 出典:ExchangeWire Japan

他にもAppNexusの予測として、下記の様なトピックが挙げられており、 ・SoMoPro(Social、Mobile、Programmatic)+Videoがキーワード。何年かはスタートアップ企業の中で多くのイノベーションが起きており、それに気づいた業界内の巨人たちが続々とマーケットに参入するだろう。 ※アメリカの広告主の団体ANAでは2014年のマーケティングキーワードとして「Programmatic」が1位を受賞しています(http://www.ana.net/blogs/show/id/32883)。

・スクリーンをまたいだ広告指標の共通化が本格的に始まり、それを目的とした企業再編が起こる。

・WPPなどの大手広告代理店もアドテクベンダーなどとの連携を進めている点から、業界の誰もが競争に勝ち抜こうという意識を持ち始め、企業間の差別化が進んでいる。結果として下記の様な状況になりつつある。 -GoogleやFacebookよりも抜き出ていなければ生き残れない -アドテク領域と広告/メディア領域をごちゃ混ぜにしたような企業が出てきている(AOL、Facebookなど)

・次のパワーゲームとして2017年にマーケティングツール統廃合、特にAmazonが脅威になる。

こういった市場内のトレンドをキャッチアップするためにも、実際に海外に出向き情報収集などを行っています。次回は実際にどういった内容がカンファレンスで話されているのか、会場の雰囲気や写真と一緒にお送り致します!